その島のひとたちは、ひとの話をきかない


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この本も沁みました。精神科医が自殺希少地域とされる、統計上、自殺者が少ないまちを旅し、まちの人と語った記録。

とある地域にある、自治組織の人たちとの会話にはっとしました。私が会社でよくいうセリフと同じだったので。

「人生は何かあるもんだ」
何かあるもんだから、お互いを助けるために存在する組織。知識は伝承され続けるけれども、強制力はない組織。

何かが起こらないように予防や防止策をとる組織は、管理や監視が強く、どうしてもそのためのルールが多くなります。何か起こるとまた、さらに細かいルールが増える。

それよりも、何かしら起こってしまうことを前提に起こったときの機動性や柔軟性、思いやりや課題解決能力を高めたいと思って、さくら事務所では監視のためのルール、管理者が必要になるような制度をできるだけ設けないよう、意識しています。

採用面談でもとりわけ、変な言い方ですがちゃんとした大きな企業さんの方ほど、どんな働き方のルールでどんな制度があるかを聞かれるケースが多く、それはそれで祖語のないよう、できるかぎり説明を尽くしてますが、名前をつけた制度みたいなものはほぼありません。

働き方、本当に自由でいろんな雇用形態や勤務曜日、時間と時間帯、日数、場所があるし、出産だったり子どもの事情、ご家族の介護、自分のやりたいことや病気、いろんなことが「起こる」たびにそれぞれ話し合って、お互いがどういう部分で助け合い歩み寄るか、決めてきました。

制度に人をあわせるんじゃなく、人に制度をあわせてきたのです。

これは最初、「大西さんが全部見られる規模・何かあったら助けられる範囲までじゃないと無理だから持続可能じゃない」と言われたんですが、実際そうかもと心揺れるときも実は度々あったんですが、最近はそうでもないなとわくわくしています。

自分に制度をあわせてもらったから、と、後進のために同じように、めちゃくちゃ手間がかかり、時には助け合いのバランスが過度に崩れる調整が必要だったりすることを、積極的に受け継いでいってくれる人たちが育ち始めたからです。

人が集まるということは企業でもまちでも同じことで、普段は空気のように意識すらせずとも何かしら居心地の良いかかわりや当事者意識をもてる場をつくるということは、人の生きる力をはぐくむものなのかもしれない、と改めて重要性に身震いしつつ。

まだたくさん深めたいことがあって、これからも何度も読み返したい1冊でした。

その島のひとたちは、人の話をきかない
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