世界の空き家対策


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空き家研究といえば、の米山さん。新刊を読了。

こうして世界各国の空き家対策を並べてみると、算定根拠が異なるとはいえ空き家率が日本よりずっと低く、また移民事情などで人口が増加局面にある国にもかかわらず、日本よりはずっと空き家対策が進んでいる印象を受けます。

●空き家対策の選択肢、政策の多様性
●早期あるいは予防的対処のための一定の強制力をもっている
●迅速な対処かつノウハウ蓄積が可能な専門組織がある
●小さな飴と強い鞭

公民連携か行政主導かのカラーは異なるものの、建物を活用しない・空けたままでいることは社会的にも個人的にも大きな損失であり、空けておく合理的な理由がない、という共通認識と仕組みがつくられているのは大きいと思います。

また韓国は数年前から、さくら事務所も省庁の方やテレビに取材いただいたりしてましたが、高齢化・空き家率やスラム化に危機感を持ち始めてからの実験的アクションが非常に早い印象を受けました。

翻って日本。

数年前に米山さんとお仕事でご一緒したとき、「ずっと空き家を研究し続けてる変わり者扱いでしたが、ようやく社会問題として認知され始めたようです」と仰ってましたが、社会問題が顕在化するのも、してからのアクションも、あいかわらず遅々として進まないなあ。

空家法施行後の初期に実施された代執行22ケースのうち、費用回収のめどが立っていないもの、15ケース。このまま公費負担を続けるのでしょうか…

また1000前後の自治体が取り組む(検討中含む)空き家バンクも、2014年時点で開設以来の累計成約件数が0~9件にとどまるものが49%(市町村開設によるもの)。

その後の各年度調査では、成約件数0件の空き家バンクが毎年2~3割に達するそうです。おそるべし開店休業状態。

活用・流通は絶対的に重要ですが、それだけじゃもう間に合わず、選別と撤去、さらにはエリアごとの対需要計画や時代にあわない規制・協定などの早期見直し、安価かつ安全な撤去技術も必要ですよね。